パンの木を植えて

主として数学の話をするブログ

群論の使い方

\[ %%% 黒板太字 %%% \newcommand{\A}{\mathbb{A}} %アフィン空間 \newcommand{\C}{\mathbb{C}} %複素数 \newcommand{\F}{\mathbb{F}} %有限体 \newcommand{\N}{\mathbb{N}} %自然数 \newcommand{\Q}{\mathbb{Q}} %有理数 \newcommand{\R}{\mathbb{R}} %実数 \newcommand{\Z}{\mathbb{Z}} %整数 %%% 2項演算 %%% \newcommand{\f}[2]{ \frac{#1}{#2} } \]

もうすぐクリスマスですね.

ケーキたべたい.おかしたべたい.なんかごちそう食べたい.

この間お寿司食べようと思っておでかけしたんですが,とっても混んでいて,ひとがすし詰めになっていました.

みんな考えることは同じなのかもしれません.

疫病がつかのま沈静化しているうちに,楽しいことはやっておきたいですね.

それはそうと更新報告です.

群論の動機・概要の説明を更新しました.旧版では「群はいたるところに現れる(だから黙って勉強しなさい)」という感じでお茶を濁していましたが,新しい版では「群の使われ方には主に4通りある」と具体的な書き方をしています.

群と言えばGalois理論と対称性ですが,Galois理論における群の使い方って「群の圏への関手を構成する」という使い方なんですよね.それって対称性(図形への作用を考え,その作用に関して不変なものについて考察する)とはまた違う使い方なのです.そこを注意しておきました.

群論は,「集合に演算を入れて,公理を定めて,そこからの帰結を証明していく」という代数学の常套手段が初めて本格的に現れる分野です.「群ってなに?」と思う初学者が多いと思うんです.そこで調べると「群とは対称性を記述するもの」というよく聞く説明が出てくるわけですが,この説明は群の図形への作用を前提としたものです.でも数学書で取り上げられている群の使い方は「群の圏への関手を構成する」が多いので,混乱を招きがちだと思いました.

この説明ならそういう混乱は避けられるんじゃないかなと思っています.