最近,あまりにも寒すぎて作業する気にならなくて困っています.
こたつを身にまとうことができればいいのに.
それはそうと,更新報告です.
吉田さんのルベーグ積分の本と,キューネンの独立性証明の本を追加しました.この2冊は私自身は読んでいませんが,どうやら既に標準的な教科書としての地位を得ているっぽいので紹介しないといけないと思いました.
読んでいないのに標準的であるということがなぜわかるかというと,知り合いが読んでいたり,あるいはネット上の強そうなひとが,参考書としてはいりぃれこめんどしたりしているからです.
ルベーグ積分に関して言えば,今までの定番は伊藤ルベーグでしたが,この本は結構ツッコミどころのある本だったんですよね.後半で関数解析の話をしてしまっているのも余計といえば余計ですし,準備の測度論が長すぎます.カラテオドリ外測度とか,理論が構築できさえすれば別に参照することはないですからね.
後で局所コンパクト位相群におけるHaar測度の存在とか示そうとすれば,そりゃ測度論がかかわってくるんでしょうし,確率論でもまじめにやろうとすれば測度論ががっつりいるのかもしれませんけど,初学者がフォローすべき事項ではないだろうというのは私も思っていました.
Haar測度の存在だって認めて使ってしまう手もありますし.
あとキューネンの本ですが,これはキューネン先生の本なのでどうせ名著なんだろうなと思って,調べたら実際評判が良かったので追加したというだけです.
基礎論は軽視されがちですが,数論幾何を目指すなら一度は軽く勉強すべきだと思っています.圏論をやってると「集合全体がなす圏」とかいう真クラスを平気で導入したうえに,その間の関手の全体みたいなわけのわからないアツマリを考え始めるので,わりと自然に基礎論的な疑問が生じるものだと思うんですよね.