今日もシルヴァーマン『はじめての数論』の演習問題をやっていきます.
今回やるのは演習17.4です.
問題文
$x^ k \equiv b \mod m$ を解く私たちの方法では,まず整数 $u,v$ で $ku - φ(m) v = 1$ を満たすものを求める.そのとき解は $x \equiv b^ u \mod m$ である.しかし,オイラーの公式 $b^ {φ(m)} \equiv 1 \mod m$ を使ったので,$\gcd(b,m) = 1$ のときに限りこの方法がうまくいくことを示しただけである.
(a) $m$ が相異なる素数の積であるとき,$x \equiv b^ u \mod m$ は,たとえ $\gcd(b,m)>1$ だとしても,いつでも $x^ k \equiv b \mod m$ の解であることを示せ.
(b) 私たちの方法は合同式 $x^ 5 \equiv 6 \mod 9$ ではうまくいかないことを示せ.
回答
問a
中国式剰余定理でアレすればOK.
ノートを貼っておきます.
問b
普通に計算すると $x^ 5 \equiv 0$ となって失敗する,というだけです.
感想とまとめ
この問題は,あとでRSA暗号の手続きを説明する時に必要になります.
秘密鍵 $p,q$ を相異なる素数とすることには,そんな理由があったんですね.